【トピック】インタビュー全文掲載「松本江理」さん

先日練馬区と板橋区のタウン誌Kacceに掲載された時にインタビューに回答していただいた練馬区にお住まいの松本さん。記事では超要約でしたが、インタビューにすごくしっかりと回答していただいたのでご紹介とともに全文を掲載させていただきます。
実は松本さんはUDトークのレポートでもたびたび出てくくる「日本補助犬情報センター」のイベントでずっとUDトークを活用していただいています。聴導犬ユーザーでもあり聴導犬を広く知ってもらうための活動を精力的に行っています。

https://www.facebook.com/jsdrc.hojoken/

UDトークは普段の生活でもお使いなられてるし、開発者ともお友達です(笑)。そしてUDトークが開発されている東京都練馬区でCode for Nerimaとしても一緒に地域活動をされています。

練馬区の区民サービスをUDトークで利用されている方のインタビューなので、これから導入検討されているところは参考になるのではないかと思います。

松本さんは日常生活での主なコミュニケーション方法については

「口話。分かりづらいところは手話や指文字などを使う。」

と回答されています。この日常のコミュニケーション方法を前提に以下の回答を御覧ください。

松本さん、ありがとうございました!

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【UDコードを知ったきっかけは?】

きっかけを忘れてしまうくらい、かなり以前のことですが、CM字幕についての集まりに参加した際に「音声認識で文字化」というものがあることを知り、サイトを調べたところ、「UDトーク」だったというのが初めてだと思います。

【聴覚障害の方にとって、UDトークを一言で表現すると?】

神ツールです。耳から入るべき情報をそのまま「目から」入れることができるという、聴覚障害者にとっては理想の支援ツールだと思います。

【UDトークの特徴は?】

「聞こえない人」=「手話」という図式がありますが、実際は「手話」を母語としてたり、自由に扱えたりする聴覚障害者はほんの一部で、私のような中途失聴者や難聴者は手話よりも、文字情報を必要としていることが多いのです。
そこで、手話の代わりに、と用いられるのが筆談や要約筆記なのですが、どちらも話し言葉そのまま全文を書くことは難しいため、用件のみを端的に書いたり、要約したりすることになります。
そのやり方でも、内容や用件を伝えるだけであれば、問題ないかもしれません。けれども、UDトークであれば、話し手が、どんな言葉を、どんな言い回しを使って話しているか、ということも含め、聞こえている人が得ている情報により近い多くの情報を得ることができます。

ただ、使う時に音声認識をするためにマイク(スマホも含む)が必要で、話し手が変わるときはマイクの移動も必要になる。マイク外の音は拾わないため、話し手の変更にフレックスに対応するのが難しい時もあります。(手話通訳であれば一人二役的にできる)

【区役所や福祉事務所などの窓口で実際に利用したことがあればその頻度や使い勝手、感想などを教えてください(要望、職員の対応などについてでも結構です)】

今年の1月にたまたま福祉事務所の窓口でUDトークの配備を知り利用してから、区民事務所での手続きで数回、区役所の学事課?での手続き、など、公的窓口に行くときはほとんど利用しています。
福祉事務所で初めて利用したときは、配備されているタブレットとマイクを出してきてもらい、それを使いましたが、それ以外は、自分のスマホを相手に向けて話してもらって利用しています。
窓口に用意してあることはありがたいですが、出してくる手間もかかり、扱える職員の方も限られていたり、、ということから、1対1の場合は自分のスマホを出す方が早いからです。少なくとも窓口担当職員の方はスムーズに使えるように準備(練習)していてくださるとありがたいです。
また、私のように普段から活用していて、自分から言い出す場合は別として、来訪者がコミニケーションに支援が必要な場合(外国人を含め)は、もっと積極的に活用したらよいと思います。「書きます」と筆談をしても、手間がかかるだけでめんどくさくなり、結局、口話になってしまうことも多いですし、下手な(笑)外国語をしどろもどろで話して、うまく伝えられなかったり、行き違いが起きたりするくらいなら、便利なツールをスマートに使えばよいと思います。

【日常生活でUDトークを活用している例がありましたら教えてください】

・.公的窓口だけでなく、みどりの窓口や店舗、施設での受付や問い合わせなどの時。
・大学の通信学部のビデオスクーリングの受講(パソコンの映像で講義)
・子供の学校での式典・保護者会・懇談会・説明会、など。(音響設備につなげたり、Bluetoothマイクを使ったり)
・学びの場(防災・福祉・心理などの講演会や講習会)←用意されていない場合は、こちらから要望。
・メンバーになっている地域活動(町会・避難拠点連絡会など)の会合
・聴導犬(補助犬)啓発活動の講演時や打ち合わせなど。
・テレビ番組視聴(字幕なしの番組)

【UDトークの改善点や要望があれば教えてください】

1つのテーブルを数名で囲んでの打ち合わせの時に、今は、フリートークにならないよう気をつけつつ、1つのBluetoothマイクを回しながら話してもらっていますが、そのようなシチュエーション(小規模な会議的な)でもっとイージーに活用できる方法があるといいな、と思います。