【全文ログ】インクルーシブ対応としての字幕のトレンド

2019年5月16日開催、アクセシビリティの祭典でのセッション「インクルーシブ対応としての字幕のトレンド」の全文ログです。ぜひお読みください!

アクセシビリティの祭典セッションページhttps://accfes.com/2019/session/session1.php


青木/皆さんこんにちは。
今回の祭典アクセシビリティの祭典の最初のセッションをつとめさせていただきます。
私、青木と原さんです。
えーとじゃあ座りましょうかね。
トップバッターということですね。
詳しいプロフィールなんかはホームページの方に2人とも書かれているのでそちらを見ていただくのがいいかなと思います。
インクルーシブ対応としての字幕のトレンドというふうなタイトルで、ちょっと紹介をしていきたいなと思います。
実は僕はですね去年のアクセシビリティの祭典でもこのUDトークを使ったことで、後ろの方でいろいろスタッフとして動いておりました。
なんか今回は登壇者の方に回ってくれと言われたので、ありがたく、この場をお借りすることにしました。
何を話そうかなと思うところなんですが、実はあんまり字幕ってことだけに対しての話をすることってないんですよね。
どっちかっていうと、インクルーシブ対応というところで、その中の一部の手段として、リアルタイム字幕って非常にいいんじゃないかみたいな話をよくします。
なので今日はちょっと視点で話をしたいなと思います。
結構短い時間でぎゅっと詰めるのではもう大分経ってますね。
無駄な話はしないようにしていきたいと思います。
とりあえず今日の僕らの講演は写真撮影も動画撮影も個人的に全部OKなので、なるべくよくとっていただいてSNSなんかに公開していただけたらいいんじゃないかなと思います(笑)。
ちょっと簡単に今日の仕組みをご紹介します。
UDトークも結構本当に今使われてる企業団体さんいっぱいあってありがたい限りなんですけども、仕組みとしては今日はそちらの音響設備の方でiPadが置いてあってそこで音声認識をしています。
それでプロジェクターの方に一つiPhoneが置いてあって、無線LANで繋がってる携帯回線でも繋がるんですけども、繋がっていて表示をしている。
あと後ろの方で上の方でですね、誤認識の修正をしてくださっています。
やっぱり音声認識ってどうしても違うところがあるんですよね。
これに関しては正直、そういう機械に対して間違いがあるだろうって突っ込むのもどうかという気がするので、よくAI時代人間の仕事はどうなるのかという話をしますけれども、音声認識の誤認識を直す仕事はまだまだ人間の仕事です。
はい、皆さんで一生懸命やりましょうということで、今日配っているチラシを皆さん今お手元でUDトークの画面を見てらっしゃって手元で字幕を見てらっしゃる方もいるかもしれませんが、皆さんも誤認識の修正ができます。
なので今日多分専門用語がいっぱい出てきますよね。
なので、皆さんが知っている知識をフル動員して、この前の字幕を作っていただけるといいのかなと思います。
いいですね、早速今直ってますね。
これちゃんと直していただけると。
最後、記録が全部綺麗に残ってますので、全文記録が残るってやっぱこういうイベント、大事ですよね。
なので今日は実際に使う使っている現場を見ていただいて、ぜひ皆さんも戻ったら自分がやってるイベントとかそういう会議なんかでUDトーク使って記録を作成して字幕を出してみるとか、そういうふうなことをしていただければいいのかなと思います。
本題に入っていきます。
ちょっと軽く自己紹介ですけども、青木秀仁と申します。
岐阜県郡上市っていうすごい田舎の出身で、元ミュージシャンでプログラマーという経歴を持っています。
最近趣味はなんだろうなあと思ったら結構この翻訳アプリから語学の方にはまっててですね、最近いろんな言葉で遊ぶような、趣味を持っています。
肩書きとしてはShamrock Records株式会社というUDトークの開発会社ですね。
そちらの方とあと最近と地域貢献活動じゃないですけどそういう活動を始めて、東京都練馬区でですねCode for Nerimaという団体を立ち上げました。
おそらく今日来ていらっしゃる方の中にも、Code for JapanとかこちらだとCode for kobeとか板垣さんもCode for Amagasakiとかに入ってらっしゃいますけど、Code for Nerimaの代表を務めております。
その活動もあとで紹介したいなと思います。
UDトークおかげさまでですね本当毎年法人導入が増えてですね今全国で400団体ほどを導入をしております。
これが多いか少ないかは正直比較対象がないのでわかりませんが、大学でいうと100大学以上今導入がされています。
用途としては聴覚障害の学生さんのサポートとかですねあとは発達障害とか学習障害の方への情報のサポートですね。
結構視覚優位の方なんかに凄く字幕いいんですよね。
僕が視覚優位なので基本的に話聞くよりも、見た方がいいんです。
僕はじっとして話し聞けないので、こんだけ喋るくせにね(笑)。
ダウンロード数ですけども、43万ダウンロード、今ありました。
結構行きましたね。
これが、これも比較対象がないのでよくわかりませんけどね。
というわけで、いろんな用途で最近活用されてて、議事録作成とか翻訳の現場で活用されているというふうな話を聞いています。
UDトーク何ができるかというと、こういった音声認識を使って、音声合成、音声認識使って字幕を出す機能がメインで取り上げられることは多いんですが音声合成を読み上げもできます。
この辺のデモはですね、終わったら展示ブースでご紹介もしますので、ぜひ。
なので、実は視覚障害の方なんかもUDトーク使ってる例があるんですね。
ちょっと多言語翻訳機能とかですね翻訳、こういう機能がありまして、見てらっしゃいますね。
それで、皆さんお手元のスマートフォンでも自分の好きな言語に設定して見ることができます。
なのでよく英語対応すれば外国人OKだろうっていうのもやっぱり僕は違和感があって、なんとなくでいいので、いろんな言語の人が理解できるようなイベントとかそういうのが今時のインクルーシブでいいのかなと思います。
あとは、UDトーク振り仮名全部ふってありますね。
やっぱり子供が漢字読めないとか、実は外国人の方が振り仮名ついていると日本語読みやすいっていうケースがあるんですよね。
最近だとやさしい日本語ってカテゴリーもできたくらいです。
そんな機能もあったりとかします。
あと遊び心満載です。
UDトークはですねARとかVRの機能があるんですね。
これは紹介したいと思います。
皆さん今お手元のUDトークで。
この画面になっていると思います。
メニュー押していただいて、シアターモードていうふうにするとこんな感じで。
こんな感じで見ることができます。
例えば、あまり僕のアップ出しても仕方がないですけども(笑)。
こうやって顔を見ることができますね。
例えば、こちら手話通訳の方がこうやってやっていただくと大画面で手話と字幕が見れたりとかしますね。
ちゃんとこれ60フレームのカメラ起動しているので、手話のコマ落ちもしません。
やっぱり視線移動が結構課題なんですよね。
あっち見てこっち見てみたいな感じで。
そういうのをこうやってARとかVRとかそういうので解決していきます。
もうちょっとまともなものを用意してきました。
えっと、エプソンのウェアラブルグラスですね。
これもちょっと適当に回していくので、ぜひ体験してみてください。
今、字幕がカメラ越しに見えるようになってます。
こちらももう僕今日も表にいるので適当に持ってて使っていただければいいかなと思います。
こんな感じで。
UDトーク今日も使っていくわけですけれども、よく話す開発のきっかけですね。
耳が聞こえない人との出会いからですね。
なんか相手に伝えるスキルが足りないのは自分の方かなと思って。
それで音声認識とアプリが作れたんで、なんか自分のスキル不足を補えないだろうかなみたいなところで開発しました。
なので、よくこういうのってビジネスが先なのかっていうふうな、よく言われるんですけれども、本当はじめ自分の趣味で、自分が使いたいアプリを作ったら、やっぱりたまたまそういうのを使いたい人が周りにいっぱいいて。
ちょっとそれを売り物にしてみたら売れるんじゃないかなみたいな感じで売ってみたら結構売れたっていう感じですね。
でもやっぱ自分が今のところまだ一番のユーザーだと思っているので、僕を超えるユーザーが出てくるということを期待しています。
音声認識とか自動翻訳って結構やっぱり今ホットですよね。
AIの技術を活用するとか、人工知能、そういうところで、なので、こういう技術はですね、やっぱりインクルーシブな活動にどんどん活用していくことで、いろんな可能性があることを今日知っていただけたらいいかなと思います。
ちょっとインクルーシブって何っていうふうな話です。
これよくネットとかでも落ちてる画像なんですけども一応自分でそれを参考にして作りました。
例えば一番左側、今画像が出てますけども、一番左側にはエクスクルージョンいわゆるマジョリティと呼ばれる人が真ん中にいる中で、周りにいろんな人が点在してる状態ですね。
ちょっとすごい古き昔の日本みたいな感じかもしれません。
その横がセパレーションといってマジョリティのグループがあるんだけどその周りに、特に同じ特性を持った小さいグループがあるような感じです。
わかりやすく言うとろう学校とか盲学校とかそういうふうな例えになるかもしれませんね。
決して悪いわけではないと思います。
その横がインテグレーション、大きいグループの中に、いくつものグループがある形です。
学校にある仲良し学級とかですね、そんな感じのイメージかもしれません。
その横がインクルージョンな環境って形ですね。
同じこのグループの中にいろんな色の特性を持った方が一緒にいるという。
こういう状態になったときにどういうことが発生するかということですね。
ざっくり言います。
社会課題ってコミュニケーション課題だと思うんですよね。
隣の人とのコミュニケーションができますかと。
例えばさっきのインクルージョンて図だと、隣にいる人が自分と違う特性持ってますよね。
じゃあその方とを話せますか、コミュニケーションがとれますかと、まずそこをクリアしないことにはその先の課題が見えてこないんですよね。
それを突き詰めると、もう社会課題の全ての根底はコミュニケーション課題なんじゃないかなと思うところです。
実はそのコミュニケーションの課題を解決するところにテクノロジーって一番活用ができるわけです。
例えばですね、インクルーシブな世の中へということですが、よくイベント開催されると主催者側がご参加しますって障害者の方とか外国人の方がいたときに、お待ちくださいとか対応しますとか。
なんかいろんなごにょごにょ困るわけですよね。
その時ですね何もしないよりはもちろんした方がいいんですけどもいろいろ残念なことも多いなとよくネットの記事なんかでも出てますね。
でもちょっと僕が考える、イベントってのはやっぱ主催者側がいろんな設備を用意してますよ、とか逆にしてほしいことを言ってくださいねっていうふうにオープンにしておいて、設備として備えつけでこういうものがあると。
必要な人がいるかいないかに関わらず設備として様々な配慮や対応がある。
まさに今日のこのイベントなんかそうですよね。
いろんな配慮があって、いろんな準備をして、別に今日来るのに特別に申請する必要もなくですね、自由に使えるわけです。
こういうのが結構インクルーシブなイベントなのかなと思います。
もちろんこの全てにおいて行うことは難しいことは分かってるんですけども、なんか0か1かで考えるんではなくて、0. 5とか0. 6目指そうよってのでも僕はいいと思うんですよね。
0って本当にゼロで全く何もないんですよね。
でも何かすることによって1でも、0. 1でも0. 2でも出来上がれば、あとはそこに掛け算していくっていうふうな考え方になります。
なのでまずはゼロから脱却するために、そこは努力とか根性ではなくて、テクノロジーを使うのが今時のすごくいい方法なんじゃないかなと。
なのでまずテクノロジーを活用しようというふうに思うことも一つのインクルーシブなアプローチなのかなと思います。
なんかこうやってけっこう喋るとすごい偉そうに何かわかったように喋ってんなお前みたいな感じによく言われるんですけれども、だったら僕が自分でやってみようかなって思ったわけですね。
そうやって自分がちょっと思い描くインクルーシブの具現化する、それがCode for Nerimaっていう団体に繋がります。
今ねCode for Nerimaのですねロゴが出てますけども、これは何に見えますか?。
大根です(笑)。
練馬区練馬大根という名で、大根カラーですね。
もうそうやって言うと多分大根にしか見えなくなってくるんですよね。
それはいいですはい(笑)。
一般社団法人Code for Nerimaちょっと軽くさっきも言いましたけどCode forについて、Code for Japan、Code for Tokyo、Code for Americaとかもあるんですけども今世界中で広がるシビックテックというですね活動ですね。
シビックテックという活動で、シビック+テクノロジーなんかみんなのテクノロジーみたいな感じの言い方もされることもあります。
もともとはオープンデータとかですねそういう自治体が公開しているデータを活用して地域課題を解決するというとこから始まりましたが、今はあまりそういう活動にこだわらず、いろんなことをしていると思います。
一応全国で80以上のCode forという冠をつけた団体があってもちろん、この地域もあったりとかします。
これが面白いのが、練馬区っていうキーワードだけで集まるんですよね。
そうすると職業とか年齢とかも関係なくなってくるんでやっぱりインクルーシブな環境になるわけです。
多種多様な人が集まるコミュニティの楽しさというのがあるわけです。
おそらく皆さんも仕事を離れて、例えば何かビリヤードとかダーツとか、それとかやる場に行くといろんな職業の方いらっしゃいますよね。
なんかああいう仕事とは関係ない肩書きとかカテゴリで集まるコミュニティの場っていうのはいろいろ気づくことが多いです。
Code for Nerima何をやっている団体かというと大きく活動は三つあって、まず練馬区で開催されるイベントの情報アクセシビリティのサポートを行っています。
区の公式イベントとかやってるんですね。
今年の成人式の字幕対応をやりました。
実は東京都はですね去年の統計だと8人に1人が外国人の新成人がいるというふうになってます。
なので実は成人式って他言語対応がもう必須なんですよね。
二つ目、オープンデータを活用して住民サービスを企画提案開発。
ところが練馬区がまだあまりオープンデータが出てきてなくてっていうと結構怒られるので言いませんが(笑)。
なので、そういうのもやっておりますと。
3番目が結構僕が今年から力を入れているイベントで、多文化共生について取り込む。
多言語カフェというですねそういうイベントをやっております。
こちらだけで紹介すると1時間ぐらいいっちゃうんで、後で詳しく知りたいかたはブースに来ていただければいいかなと思います。
このCode for Nerimaの活動方法ですけれども、まずイベントには全てUDトークで字幕を付けています。
そのイベントの内容とか全文ログは全て保存して公開しております。
実は何かこういう字幕って本当に聞こえない人のためとか見ることのものだろうって言われるんですけれども、実は全文記録を保存しておくとそれを読み上げで読んだりだとかですね。
もちろん僕らだって全部覚えてるわけではないので、それで記憶を呼び覚ますみたいな感じの活用方法なんかもできます。
あとはメンバー全員に発表の機会を持ってもらってます。
どういうふうに発表するのか。
もちろんこれは視覚障害のメンバーとか聴覚障害のメンバーなんかでも自分で自分の自己紹介をする方法。
これを一緒に考えていきます。
どうやって発表しようか、どう伝えようかとか。
聞く方も喋る方も一緒に考えるということをやっております。
あるブログで何かそうやって地域活動やってる人って実は困ってないよねみたいなすごい爆弾発言があって(笑)。
でも確かにそうなんですよね。
僕もあんまり東京練馬区に住んでいて困ってないんです。
だったら困ってるメンバーを入れればいいんじゃないか、そこにいろんな気づきがあるという。
実は僕はUDトークはそんなに障害者の方とか外国人の対応のためにやったわけではないんですね。
自分たちで記録も残していきたいし、自分たちでもわかりやすいように共有していきたいしっていうんで。
やっぱりいろんな方に来てもらうための方法を用意するにはどうしたらいいかなというところを考えたら、結果的に本当にいろんな人が来てくれるようになったというところです。
現在正会員で40名ぐらいで会費で運営をしている団体です。
実は結構Code forの中では規模が大きいんじゃないかなというふうに自負しております。
なのでいろんな方法ですね活用してCode for Nerimaの活動は結果的に誰でも参加できる。
インクルーシブな環境になっておりますはいわけでそろそろ時間になりましたので僕のパートは。
結局アクセシビリティとか。
インクルーシブって何なのかなと考えると「体験と想像力」だと思うんですよね。
やっぱり机上の空論で話してもだめなんですよね。
体験することによって、こういうときはこうなんだとか。
こういうときはこうなんだってことを学んでいきますあと想像力です。
やっぱり1回なんか耳聞こえない人と関わってみると、何かこのイベント自分もし耳が聞こえなかったら参加できないなとか。
もし1回でも目が見えないかと付き合ってみると、この資料、全然わかんないなとか。
例えば車いすの方なんかと付き合ってみると、そもそもこの場所に来られないなとかもう本当ね最近いろんなことを考え始めちゃって、かつ最近外国人の方と付き合うなってくると、ここ日本語わかんないと来れないなみたいなも考えることが山ほど出てきてしまって結構大変なんですけども。
何かそういう想像力っておそらく今日来てる方なんかでもクリエイターの方とかも多いと思うんですけども、すごくこうエネルギーなると思うんですよね。
なので体験と想像力ってのはですね、もし自分が○○だったらってことでもうどんどん考えて言っていただければいいのかなと思います。
そういう考えがおそらくこれからのインクルーシブな環境とかそういうのに繋がっていくのかなと思っております。
というわけで僕のパートを終わりたいと思います。
ご清聴ありがとうございました。

原/青木さんありがとうございます。
次のパートは、僕の方になるんですけども、実はわたくし当事者、聴覚障害者となります。
生まれたときから、ろうなんですけども、手話を始めたのが3年前ぐらいまでなんで、それまでは口話を中心にですね、社会の中で生活していました。
青木さんのスライドとはちょっと変わってくるんですけれども、ちょっと会社の方をですね、紹介させてもらいたいなと思っております。
実は、塩野義製薬っていうところで働いておりまして、ただいまコミュニケーションバリアフリー、気づきを形にマイナスをプラスにと言う形でプロジェクトをやらせてもらっています。
どんなことをやってるかっていうのは、うちの会社の場合はですね、製薬会社ですので、お薬を病院で患者さんに届けるという使命があります。
そのお薬を届けるにあたって、すべての人に届けたい、すべての人って言うのはどういう人達かというと、健常者もいますし聴覚障害者やいろんな障害をお持ちの方もいらっしゃいますけれども、その中でお薬をもらうときにバリアを感じている人たちがいないだろうか?ということを我々当事者が気づきを得てですね、プロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトは、2021年の3月までにすべてのお困りの人たちを、全てバリアフリーで行きましょうっていう、壮大な目標を今掲げておりまして、そのためにはどういうふうにやったらいいのかっていうのをメンバーで一生懸命考えて、やっています。
プロジェクトに3本柱がございまして、患者さんだけでバリアを工夫しても意味ないよねと、医療従事者に対しても、塩野義製薬の従業員が障害のことを理解する必要があるよね、というようなことを3本柱で立てて、その中の一つとしてUDトーク入れるっていう目標も立てております。
ちょっとこの後のスライドについては、ちょっとビデオを作成しておりますので、みなさんにビデオをごらんいただきたいなと思っております。
ちょっと準備するまでお待ちください。

(ビデオ)皆さんご存知でしょうか?。
日本には耳の聞こえない人、聞こえにくい人がおよそ2000万人います。
これは国民の6人に1人の割合です。
全世界では4億7000万人もの人々が聞こえに問題を抱えています。
聞こえはとても身近な問題。
オフィスで後から呼ばれても気づきません。
病院やクリニックの待合室で名前を呼ばれても気づきません。
日々の生活、車のクラクションに気づきません。
オフィスで会議の進行について行けない場合もあるので内容を教えてほしいです。
薬局や病院で医療従事者のマスクを外して、口の動きを見せてほしい。
災害時の緊急事態では状況がわからないのでお知らせ内容を教えてほしい。
電話が取れないため、周囲のサポートが必要です。
ナースコールで緊急連絡したら、直接来てほしいのです。
病院の予約変更や薬の問い合わせはメールでなく電話対応のみが多いです。
このようなことが続くと、社会から隔離されたような寂しい気持ちになってしまうこともあります。
困りごとを解決したい。
日常的に困りごとが多いと外出すら億劫になる。
ますます消極的な気持ちになってしまいます。
聞こえないことによる生きづらい社会課題を解決していきたい。
そうだ、みんなで力を合わせて立ち上がろうよ。
そこで、私たちはこれらコミュニケーションにあるバリアを解決すべく、2015年10月。
コミュニケーションバリアフリープロジェクトを立ち上げました。
コンセプトは気付きをカタチに、マイナスをプラスに。
立ち上げ当初は社内でもニーズがない、バリアフリー対応は手間がかかるなどの意見もありましたが、全ての人に必要な薬の情報を伝える思いはみんな同じだったと気づきました。
聴覚障害を持つ当事者ならではの目線を生かし、製薬企業として社会に貢献したい。
誰もがポジティブに生きていける世の中にしたいという思いを伝え、1人また1人とメンバーや応援してくれる人が増えていきました。
塩野義には常に人々の健康を守るために必要な最も良い薬を提供するという基本方針があります。
塩野義三郎は、大阪府立生野聴覚支援学校設立の後援会員名簿に名を連ね、聴覚障害者への支援を行っていました。
CBFプロジェクトは、従業員のために、医療従事者のために、患者さんのためにという3本柱を軸に様々な活動を行っています。
会議のときなど、会話がわかるように音声を認識し、リアルタイムで文字化するアプリUDトークを導入し、社内の情報保障を整備しました。
年頭の社長メッセージのビデオに字幕を入れることで、わからなくて当たり前という聴覚障害従業員の疎外感がなくなり、周りの社員との一体感が生まれました。
障害を持つ患者さんもバリアフリーで受診できるよう、医療機関向けセミナーを各地で開催しています。
誤解が多い食間食前を子供でも分かりやすく、まんがで説明した服薬説明ポスターを作成し、配布しています。
聴覚支援学校でも聞こえない子供たちへ働きかた講座を実施しました。
他にも検査技師の放送指示が聞こえないため、胃バリウム検診の流れをイラストで説明したポスターなども制作しています。
テレビ放送のミュージックフェア内での市販薬CMにおいて、字幕つき放映を開始しました。
当事者の自己表示ツールとして様々な文言を用意した耳マーク、筆談マーク入りのしおりカードを用意しました。
どなたでも来館しやすい窓口作りとして耳マーク、補助犬ステッカーを塩野義製薬本社受付に設置などのバリアフリー活動を展開しています。
これまでの活動の中でたくさんのご意見や感想をいただきました。
CBFセミナーに参加した医療従事者からのコメントです。
医療機関としていろいろなコミュニケーションの方法を備える必要性を感じた。
わからないからもう一度言ってくださいと言ってくれた難聴者の方は大きな勇気を持っていたのだと気づくことができた。
聞こえについてあまりにも知らないことが多すぎた、誤解していた。
などなど、多くのご意見をいただきました。
コミュニケーションバリアフリープロジェクトの最終的なゴールは、医療機関、製薬業界だけでなく、社会全体で障害の有無によらないカタチを実現させることです。
誰1人取り残されないために。
塩野義コミュニケーションバリアフリープロジェクトの挑戦は続きます。
気づきをカタチに、マイナスをプラスに実現させるために。

原/ありがとうございました。
ビデオは以上になります。
こうした取り組みの活動がですね、東京の方でも認められるようになってまして、こういうふうに心のバリアフリーというのを登録証をいただくことができました。
今後もですね、全国でも、こういった取り組みを地方団体、行政の方から、表彰されるように一生懸命頑張っていきたいなと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
以上でございます。
ありがとうございました。

青木/ありがとうございました。
というわけで、あとの時間はですねせっかく2人でいるので2人で全く会話をしないのも仲悪いんじゃないかみたいに言われるとあれなので(笑)。
あと10分くらいですね、いいと思います。
ちょっとお互いに質問を一つずつ考えて来ました。
なので、それについてですね、話をしてみたいなと思います。
まず、パネルディスカッションとしまして、ジャン、原さんの方から。
「いつUDトークが必要なくなりますか」と、いう質問ですけど。

原/ちょっと、これ言うとちょっと感じ悪いふうに見えるけども(笑)。
以前NHKの方に青木さんが出演されたんですねUDトークについて。
2016年10月ぐらいに放送されたもので、実はその時には知らなかったんですけれども、再放送の部分がありましてそのときに初めて見たんですね。
最後に青木さんの目標って何ですか?って。
僕の仕事がなくなる、UDトークがなくなる、でそれってどういう状況になってるかっていうのが、社会全体が字幕を出すことが当たり前になるよねって、ということを想定した上でUDトークなくすことが目標だというふうにおっしゃっていたので、あれから4年経ってるんですけど、っていつなくなるのかなって?いうのをちょっと改めて質問させていただいたのが背景でございます。

青木/わかりました。
4年も経つとやっぱり考え方が変わるものでしてはい。
確かにいくつかのインタビューで言ってるんですね。
なんか、意図としては、個人が頑張んなくてもいいような世の中社会になればいいかなって。
僕も正直なんかも障害者の自立支援ってすごいその言葉自体がどうかと思ってて、なんかなりそっちばっかりがんばるのみたいな。
歩み寄ればいいし、特にコミュニケーションの問題なんて、もう歩み寄るしかないんですよ、もう解決策としては。
そんな中で、片方だけなんかUDトーク使って頑張る世の中がなくなればいいかなと思ったんですけども。
実は僕もUDトーク結構便利なんですよね。
ほとんど聞いたことを覚えてないし、記録残ってるとすごく便利だし。
なので別に頑張るがんばんないじゃなくて個人でいろいろやることって非常に、自分にとってメリットがあるかなというあったら、どんどんどんどん新しいツールとか新しいものとか自分で工夫して何か生活としていくとか、仕事をしていくとか、それこそコミュニティに参加してみるとかっていうふうなこと、そういうとこに目指していけばいいんじゃないかなと。
だから、UDトーク必要なくなったらまた別のアプリを作ろうかなと。
早速今別のアプリ作って紹介してるので後でインストールして帰ってください(笑)。
ちょっとねUDトークが割とプロ用の機能が入ってきてややこしくなってきたんで、すごい簡単に使えるですね、翻訳アプリ会話アプリを作って、今無料で配布していますVoiceOverに完璧に対応してますんで大丈夫ですこれ、素晴らしいでしょ?。
そういうのもやっぱり体験からくるんですよね。
大事です。そんな感じで。

原/当時の、3年4年ぐらい前にUDトーク導入するに当たって、いろいろいろんな会社の音声認識ツールを比較したんですけど、その時点でもやっぱり青木さんのツールっていうのは、良い言い方をすると4年5年ぐらい先を見据えたツールになってるなと。
今、他の会社が青木のコンセプトに追いついてるっていうのがあって、ものすごい大きな会社については、ビッグデータの量が多いのですけれど、、その会社さんに青木さんがのみ込まれるとか、吸収されるとか、差別化されるとか、そういうのは危機感みたいなものはないんですかね?(笑)。

青木/そうそう。
そうなんすよ。
うちの会社って僕しかいないんですよ。
1人だけなんですよ。
一応奥さんが経理やってますけどほぼ1人で、開発と広報とこういう場にも来てるんで、小さすぎると何も構ってもらえないんですよね(笑)。
あとちょっとこれ幸いだったのがUDトークってあんまりもう全く助成金とかそういうのを使わないで自分のニーズから始まってすごい小さい規模で作り始めて今大きくなっているので、ちょっと変な言い方するとどこにも貸しがない感じでやっているので割と自由にできるかなと。
あとはもうやっぱりどっちかってと身近な人とかに使ってもらって、なんか良かったねって言ってもらえる方が僕もうれしいので、でも本当にいろんな今アプリとかが、最近Googleなんかが結構本気でCSR活動に参加してきて、何か音声認識で字幕でるみたいな。
あれすごいことだと思うんですよね。
なんかもああいうので、もうどんどんいい音声認識のアプリとかそういうのが出てきても一般的にぱっと広まってくれると、僕にとってもビジネスにとってもすごいメリットがあるかなと。
正直ね、こういう業界って、1人勝ちとかって、あんまりメリットないんですよね。
だからちゃんと、その市場を広げるために、いいアプリが広がっていくってことが大事かなと思います。

原/僕もいろんなアプリが出ていって、選べる立場に立つとより生活しやすいなという形でやっていけたらいいなというふうには感じてます。
ありがとうございます。

青木/その中でもUDトークとか選んでいただけると嬉しいかなと(笑)。
いうとこですね。
なので、どんどんこれからまた新しいアプリできるのは期待していただければいいかなと思います。
次に僕から原さんへの質問です。
「音声認識でどう生活が変わりましたか」と。
もちろんこれは聴覚障害者の立場で大丈夫です。

原/そうですね。
一番最初はね、テレビの字幕が出るようになってきて、字幕は録画の場合の字幕であって、リアルタイムの生放送だとか、字幕がないときに、何だろう、家族の中で、テレビ見てたときに自分だけが透明人間になっているような気分っていうのがよくありまして、スマホあるいはパソコンもそういった自分たちでデバイスを持つようになったときに、その中にUDトークっていうアプリが入ったことによって、生活ってのが仕事も含めてなんですけど、リアルタイムで字幕を見ること、見るっていうのも聞くっていうふうになるけど、見ていくっていうことで、一体感、動画にもありましたけど、リアルタイムで情報を周りの方たちと一緒に共有できるっていうのは透明人間からリアル感がすごい出てきて脳が活性化し始めるんですよね、リアルタイムでわかることによって。
いやいや、今まで結構、情報支援、情報保障って後で情報出してあげたじゃないか、議事録は渡してたじゃないかと。
後で教えて上げたじゃないかと。
いや違うんですよ。
飲み会の場だったり、会議の場だったり、コミュニケーションのリアルタイムのときに置いてきぼりにされているというのがちょっとあったので、今回このUDトークあるいは音声認識がというのが出たことによって、その場に自分の存在価値が示せると言う、感じるようになる。
こうしたアプリは、もう本当に感謝でしかないし、今後の生き方、生きがい、安心感を覚えながら生きていける、安心して暮らせるっていうのは、本当におおげさじゃないんだけれども、本当にそういうふうに感じられる時代に生まれてよかったらというのがあります。

実は手話は僕できないんですけど、3年前に手話始めたばっかりなんですけど。
だから、ずっと口話で聞いていて分からないなりに自分で推測していったっていうのがちょっと今までずっとあって、その中に誤解が生まれて、コミュニケーションができなくなって、いわゆるKY、空気が読めないないやつだとか、レッテル貼られたときもあったので、今後は手話も勉強して、音声認識ツールも使い自分たちがリアル感を感じるのはいろんな手段を、自分でリテラシーを高めて使っていくっていうのが大事なんじゃないかなというのは、思いましたね。

青木/そうですよね。
最初に会ったとき僕一生懸命手話してましたよね(笑)。
実はやっぱり思い込みあったんですよそれまでも、外国人は英語と同じような感じで聞こえない人は手話っていう。
手話は使える人も実際は少ないと聞いております。
今ちょっと皆さんも見ていただいて分かるようにやっぱり原さん少し喋り方が難聴者の喋り方なんですね。
音声認識の認識率もちょっと低い、ちょっとじゃないかな?低いですね。
今言ったように誤解をちょっと有無とかそういうのもあるんですけども「聞こえにくい人同士のコミュニケーション」というのが今一番の課題なんですね。
おそらく、聞こえる人から聞こえない人とのコミュニケーションももちろん放送の媒体を受け取るとかテレビとかそういうのおそらくもうこういう音声認識で解決の方向に向かっていくと思います。
手話ができる人、手話ってすごい僕も大好きできるんですけども、コミュニケーションツールとしては非常に便利なんですよね。
水の中でも会話できるんでこれすごくないすか?。
でもやっぱり手話、後から習得しなきゃいけない、これも一つの語学なんでやっぱ大変なんですよ。
皆さんが英語を覚えるのと同じぐらいな感じだと思っていただければいいと思います。
だから、やっぱり手話を習得するまで、習得するモチベーションがない中で聞こえづらくなって聞こえにくい人同士でコミュニケーションとるときってやっぱり筆談とか、パソコンとかスマホ、いまだとスマホで文字が打てるんでいいですよね。
そういうのもやったりとかします。
だからどこまで音声認識の精度とか上げられるかっていうとこはやっぱデータの収集とかそういうふうになるんですね。
なのでUDトークは今皆さんが使っていただければ使っていただけるほど、音声データが集まってAIの精度が上がっているという状態になってます。
だから本当に皆さんがいっぱい使っていただくことによって、協力していただいて、それで精度が上がると、だからもちろん難聴者の方にもちょっと間違いは多いかもしれませんが、積極的に喋って使っていただけるとですね、その音声も集まって精度も上がるという。
でもそれで面白いのが逆に難聴者の方の喋り方が上手になってくるんですね。
確認が出来るっていうふうなことになります。
でもこれって実は僕らも英語とか中国語を勉強するのって音声認識すごい使えるんですよ。
発音のチェックなんかにすごく使えます。
なので今日皆さん帰ったらUDトークとか、そういう音声認識のアプリで何か発音の練習なんかをしてもらえればいいかなと思います。
きっと何か生活変わるんじゃないかなと思います。

原/今後もUDトークの発展に期待していますよ。

青木/はい、おまかせください。
まだしばらくなくならないと思いますよ(笑)。
それがいいのかどうかはわかりませんが。
ちょうどいい感じのとこなので。
今メガネディスプレイどこ行ってます?。
まだ回ってないですよね?回りましたぁ?。
じゃ外にブースあるんで持ってきてください(笑)。
とり行けよって話ですよね。
最初のセッションをこれで終わりたいと思います。
今日一日、これからどんどんセッションが続きますので、皆さん楽しみに、いっぱい収穫を得て帰っていただければいいかなと思います。
ありがとうございました。

原/ありがとうございました。