【トピック】イベントでの運用方法2つ紹介
UDトークは「喋った言葉を文字にする、翻訳をする」と言うとてもシンプルな機能を提供しているアプリです。なので使い方や運用方法はいろんなパターンが考えられます。
そうしたナレッジをまとめてイベントでの運用方法2つをご紹介したいと思います。
1.コスト最小限!多言語自動リアルタイム字幕
- スクリーン投影:なし
- 単語登録:しっかりと
- 同時編集:なし
リアルタイム字幕はQRコードを発行して参加者のお手持ちのスマートフォンで見てもらいます。イベントでの準備は予めこちらのマニュアルにそって準備をしておきます。
イベントが始まったら音響設備に接続してある端末の「タップして話す」ボタンを押すだけです。あとは自動で認識してQRコードを経由して参加者の手元のアプリへ字幕を送信します。単語登録がしっかりされているので認識率もそこまで悪くはないです。こちらの運用方法はSEMICON Japan 2018で実際に運用されたパターンです。すべての会場、すべてのセッションに完璧ではなくても字幕を提供したい、しかも低コストでということが実現できました。もちろん終了後にはすべてのセッションの全文ログが保存されています。録画されている動画と照らし合わせてあとから編集をし全文記録を必要に応じて作ることができます。
これにかかるコストは
- 機材のレンタル費用
- スタッフによる単語登録の作業
- 必要に応じてコンパクトプラン、もしくはイベントプラン
のみとなり、UDトークのリアルタイムの運用に関してはスイッチをいれるだけなのでほとんどかかりません(アプリが落ちたときに復帰するくらい。アプリなので絶対に落ちないとは言えませんので)。
ただし、自動翻訳を利用するときは「原文が100%正しいことが条件」でもあるので様子を見ながらちょっと修正するだけでも効果は大きいと思います。
2.リアルタイム字幕はエンタメ!スクリーン投影
- スクリーン投影:あり
- 単語登録:分かる範囲で
- 同時編集:あり
シンポジウムやカンファレンスで自動でリアルタイム字幕が出てくるのはある意味「エンタテイメント」でもあります。それにスピーカーの写真を取るときにあえて字幕をフレームに収めると「その人が何を喋ってるときの写真なのか」が分かる、いままでにはなかった新しいメディアとして扱えます。従来、福祉の世界では隅っこに追いやられていた字幕が、音声認識でこのスピードで全文出てくると非常にエキサイティングなのです。これはスーパーマーケットトレードショー2018での運用例がそれにあたります。
ただしスクリーン投影をすると言うことはそれなりに目に入るので間違ったものは直して行ったほうがいいでしょ。かつ、スクリーンは一方通行に流れていきます。手持ちのスマートフォンであれば例え音声認識の結果が間違っていても、後の結果をみてさかのぼって内容を再確認もできますが、スクリーンだけみているとそうもいきません。なのでスクリーン投影をするときは編集作業は必須となります。
ただし編集者をつけるときはだいたい常時2名、張り付きで作業を行うことになり、それなりに人件費がかかってきます。ですが、そのぶん事前準備のコストを下げることができるのでそのあたりは「どういう字幕を出したいか」によるバランスにもなってくるかと思います。でも編集者は特別なスキルは必要ないので、そのイベントのスタッフさんが開いてる時間に行うというのも十分可能です。
自動翻訳を利用するときは「原文が100%正しいことが条件」でもあるのでこちらの運用だと多言語字幕も安心して提供できると思います。
1か2か、もしくは1をベースに考えてポイントとなるところだけ2で対応する、と言ったパターンも考えられます。大事なのは「全部で提供する」ということです。「この時間帯だけ」とか「このセッションだけ」のような提供の仕方ではなく、場所や会場単位で対応していくのが良いと思います。
ちょっとおまけで、3を挙げますが、こちらはあまりおすすめしません。
3.編集者なしでスクリーン投影はおすすめできない?
- スクリーン投影:あり
- 単語追加:そこそこ
- 編集者:なし
もちろんないよりはあった方がよいのですが、参加する全員がちゃんとUDトークのことを分かっていることが重要です。何も知らない人がみると簡単に直せる誤認識が放置されているので音声認識の評価を下げるだけなので、あまりおすすめはできないです。
と、いくつか運用パターンを書きましたが、これは「初めて音声認識字幕を見る人がいる」ときのマイナスイメージを避けること、つまり「成功体験」を重視した運用です。音声認識や自動翻訳と言う結果が不確定な技術はこの成功体験が重要で、その先の採用や運用のモチベーションに大きく影響をしてきます。
もし対外的にUDトークを使用するときは、2つの運用を参考にしてみてください。
(もちろん最終的には無人で自動で高精度で動かせるのが理想ですが、それまでは3は見かけたらアドバイスをしてあげましょう…)