【シェア希望】業界初!カンボジア旅行 with UDトーク(by クラブツーリズム)

8月18日から22日まで「UDトークで観光案内シリーズ『世界遺産アンコール遺跡群と聾学校〝クロサートメイ〟訪問・カンボジア5日間」が催行されました。聴覚障害をお持ちの方を中心に募集された、今話題の「ユニバーサルツーリズム、障害を持った方も一緒に楽しめる旅」です。聴覚障害者対応はまだどこの旅行会社もやっておらず今回クラブツーリズムさんはまさに「業界初」となります。

このツアーに開発者の青木秀仁が同行してUDトークのサポートやいろんなシチュエーションでの利用をトライして来ました。(あと普通に海外旅行を楽しんできましたw)

このツアーには現地でカンボジア人による日本語ガイドと日本人による手話通訳が同行しました。ツアー代金の中にWiFiルーターのレンタル代が入っており参加者に配布されます。ご自身のスマートフォンでUDトークのリアルタイム字幕をご覧いただけます。つまりガイドを聞く(見る)時は手話通訳かUDトークかの選択肢があります。今回は全員手話がわかる人が参加されましたが、このツアーのコンセプトは「手話がわからない聞こえにくくなった人がどうやったら参加できるか」でした。企画者一同、常にそれを意識し想定をしながらの旅となりました。

このツアーの内容は大きく分けて3つ

・アンコール遺跡群の見学
・職業訓練校「アーティザンアンコール」の訪問
・ろう学校「クロサートメイ」での子どもたちとの交流

となります。ちょっと長くなるのでとりあえずシェアして時間があるときにじっくりお読みくださいw

■アンコール遺跡群の見学
カンボジアの都市シェムリアップ周辺のアンコール遺跡群の見学を行いました。日本語を話すガイドさんにBluetoothマイクを付けてもらいそれぞれのスマホで文字をみます。同時にスタッフがスマホで誤認識を修正して行きます。固有名詞は予め登録してあるので要所ではでるのですが、現地ガイドさん、もちろん日本語は堪能ですが現地の名称はそこだけネイティブのクメール語の発音になってしまうので音声認識の技術的な壁にあたりました。でもそこは編集で対応です。あと、遺跡の奥へ行くと電波がほとんど入らずUDトークが使えなくなりました。そこは手話通訳さんやツアー同行者のフォローでしっかりとサポート。ですが、電波がないところで動く(スタンドアローンで動く)UDトークがこういうところでは必要であると実感しました。

いろいろな使い方も実践してみました。特にシアターモードでの閲覧は壁画の場所を指さしながらなどとても活用ができました。ガイドさんもUDトークの使い方をすぐに覚えて、手元で自分の喋ってるのを見て確認しながら喋っていました。

手話と字幕でアンコール遺跡の歴史や神話を知れたとても内容の濃いガイドでした。その場でお土産を売り歩いてた子どもたちと一緒にアンコールワットを背景に記念撮影。
アンコールワットを背に現地のお土産物を売りに来た子供たちと記念撮影。
こんな感じでガイドさんの話を「見る」ことができます
ガイドさんの横には手話通訳さんがついています。
シアターモードはこうした遺跡見学にはすごいポテンシャルを秘めています。
壁画の書かれているところを文字と一緒に見ながら説明を聞くことができます。ちょっと手は疲れてきますが(笑)。

こういうところはAR技術がかつさらに活用できそうですね。

■職業訓練校「アーティザンアンコール」の訪問
このツアーの特別企画です。障害者の方たちが「職人」として働く訓練校へ訪問。そこで働く聴覚障害者の方たちとの交流が企画されました。まずはこの学校に勤務されてる日本人の方から学校の案内を受けます。この時はマイクを渡して歩きながら校内を案内していただきました。ちゃんと電波が届いてればUDトークはまったく問題ないです。また話し手や手話通訳からちょっと離れてしまったところにいてもUDトークを見れば解説内容がわかると言う、聴覚障害者でなくとも役に立つシーンがたくさんありました。いろんなツアーで導入したらもっと自由に動き回れるのではないかと思います。

校内を案内してもらったあとはテーブルを囲んでの談話です。ここでのコミュニケーションは「手話→読み取りで日本語音声→聞き取りでクメール語音声→クメール手話」の双方向リレーです。でも最初は双方遠慮していたのか、打ち解けるともう自由時間(笑)。手話とは不思議なものでなんとなく通じてしまうのが見てて興味深かったです。僕はこちらの参加されてるろう者の方と一緒にUDトークを使って相手とコミュニケーションを試みました。UDトークの日本語→クメール語翻訳がなかなか良かったみたいです。もちろんちゃんと翻訳されやすいように主語を明確にして日本語で話します。最初タブレットやスマートフォンに何が出てるのか分かってらっしゃらなかったのですが、それが喋った声だと気がつくと興味津々。アプリもインストールしてくれて、クメール語をキーボードで入力しこちらの手元に日本語で表示された時はなんとも言えない喜びがありました。

ここは障害を持って働く職人さんたちが作ったものを販売しているお土産屋も併設してます。それはもう一流の高芸品!それらが並ぶショップは多くの観光客が買い物に訪れていました。
職業訓練校アーティザンアンコールの入り口でのガイダンス。このあと校内を説明とともに回りました。
アーティザンアンコールでの交流会。UDトークに興味津々です。
さっそくスマホにインストールしてもらいUDトークをQRコードで接続してみました。
世界初!短い定形文章ですが、UDトークでクメール語でコミュニケーションがとれた瞬間です。

■ろう学校「クロサートメイ」での子どもたちとの交流
シェムリアップにはカンボジアに5つあるろう学校の1つがあります(クロサートメイは盲学校も併設)。そこでツアー参加者と聴こえない子どもたち(小学校高学年)との交流会が企画されました。まずはこちらの参加者が一人ずつ自己紹介。ここでも「手話→読み取りで日本語音声→聞き取りでクメール語音声→クメール手話」のリレーです。UDトークは読み取り通訳の音声を文字化。クメール語への逐次通訳で日本語の内容を確認しながらきちんと正確に通訳をしてくださってました。子どもたちからの質問もたくさんありました。みんな笑顔がとってもかわいくて人懐っこいです。

ここでも日本語→クメール語にUDトークを設定して見てもらいました。驚いたのですが、みんな文字をとても良く読めます。ここでも出てきてる文字が音声認識で自動的に翻訳されてるものとわかると興味津々でした。

iPadのシアターモード、VRゴーグルでの体験、EPSONのMoverioを子どもたちに渡してみました。いままで触れたことのないテクノロジーにびっくりする子どもたち。でもすぐにこれが何なのか理解してちゃんと喋ってる人の方をiPad越しに見たりと、VRゴーグルで笑ってみたりと、とてもよいユーザー体験の場をみることができました。先生たちも大はしゃぎで僕は先生たちといろいろ情報交換をしました。こう言うテクノロジーを教育で使うことはどうか?と訪ねたら、カンボジアでは高価でなかなかこういうのが買えないとのこと。日本だとタブレットとか普通に手に入るので何かUDトークとして寄付のようなことができないだろうか、と考えてみました。

最後にみんなで記念撮影!一生忘れられない思い出ができました。
クロサートメイでの交流会。みなさん手話で自己紹介です。
すぐにシアターモードを使いこなす小学校高学年の女の子。アプリの機能が直感的であることを確信しました!
MoverioとVRゴーグルがお気に入りの先生たちw
みんなで記念撮影。この手話は「I Love You」で世界共通です!

■まとめ
今回はユニバーサルツーリズムとして前例のない企画と対応だったのでほんと現地での試行錯誤をしながらでしたが、実際にやってみることで得られたことは大きく、旅行会社の中でクラブツーリズムさんがこの分野でひとつ抜け出たことは間違いないと思います。もちろんUDトークの対応も電波が悪くなることでできなくなったりと完璧ではなかったですが、手話通訳さんや僕たちも筆談や会話程度の手話ですがサポートしたりと、ツアー参加者全員で楽しみサポートをする。そんなツアーがあってもいいなと思いました。実際サポートをしながらでしたがすごく旅行を楽しめました。

開発者としてはやはり実際に使ってみないと分からないことは山程あるし、足りないところもまだまだあると感じました。またこうした企画ができたらぜひ同行したいと思います。

クラブツーリズム担当者、企画者のみなさん、サポートで同行してくれたみなさま、そしてなによりツアーの参加者のみなさん、本当にありがとうございました!また企画されることを心より楽しみにしています!