【ヒント】UDトークは誰のためのもの?
結論から言うと、UDトークは「話す方」「伝える方」が使うものです。なので情報を受け取る方(聴覚障害者など)はあくまで使われた結果を「見るだけ」になります。
いまだに多く人が勘違いされてるのはこのアプリは対象となる本人が持って使うものではなく、相手に使ってもらうことによって成り立つもの。つまり「自立」のためのものでなく「共助」のための手段なのです。逆に言うと話すほうがUDトークを使う気がなければまったく役に立ちません(まぁ、それでも多少分かる結果は出ると思いますが)。
例えばトークイベントでも聴覚障害者の方が手にUDトークを持って手元で音声認識を開始しても文字になるわけではありません。トークイベントの主催者がちゃんと導入をして正しい使い方をし話される方や出席者にこれが何をするための手段なのかをちゃんと理解した上で使用するものです。
じゃこれを使ってもらうために頭を下げてお願いをしなきゃいけないのか?と言うと答えは「はい」です。これを使ってもらう事によって自分がメリットを得ることができるのであればお願いすればいいと思います。合理的配慮の世の中、それを断る人もいないと思います。
そもそもの考え方を変えてみてはどうでしょうか。相手に対してのメリットを提示するのです。話す人がこれを使った場合たくさんメリットがあります。まず音声認識や翻訳の機能を使うことでそこに外国人や聴覚障害者の方たちがいても自分の話した内容を持ち帰ってもらうことができます。つまり「伝えること」ができます。
終わったあとにすぐに全文の記録が残ります。ちょっと直してすぐに公開することもできますし、動画のフル字幕を作成する手助けにもなります。
リアルタイム字幕は話している内容を補完します。手元で見ることで遡って確認したりすることができるので、全ての参加者にとって役に立つ情報補助となります。
これはよく言われることですが、
「話している内容が相手に伝わらないのは100%話し手の責任」
です。
話し手の立場からするとわざわざ足を運んでくださった方たちに自分の話をちゃんと持ち帰っていただくことへの努力は当たり前のことです。UDトークは話して側の補助ツールとして効果を発揮します。
このように話し手に対してのメリットも一緒に提示してあげることで「共に使う」と言う関係ができます。
もちろん人によってはこういうのがめんどくさいと感じる方もいらっしゃるでしょう。ですが、そのときに自分たちにとって何が一番大事なことなのか、と言う目的を大事にしていただければきっとうまく使えるのではないかと思います。
もちろんUDトークは万能ではないのでさっぱり使えないケースもあります(笑)。そういうときはまた別のことを考えていただければいいと思います。UDトークは問題解決のツールでもありますが、問題発見のツールでもありますので。