【運用レポート】第27回信州安曇野能楽鑑賞会

長野県のRoiS(株)さん(UDトーク販売店)より第27回信州安曇野能楽鑑賞会での運用レポートが届きました!

UDトークは音声認識だけではなく字幕を表示するアプリとして演劇やこうした舞台で活用できます。能のセリフは事前に詞章から起こしオペレーターがタイミングに合わせて1つずつ送出していきます。もちろん会場の案内時は音声認識で臨機応変に、スマホやタブレットで手軽に来場者の案内をすることができます。

能や狂言で字幕表示アプリとしての活用は「増上寺薪能」「みどりの風 練馬薪能」で今年も行われます。聴覚障害者だけではなく誰でもスマホで字幕を見ることができます。聞きながら字幕も見れるので聴こえる方にもとても好評です。安曇野能でも来年は誰でも字幕付きで見れるようになるといいですよね。

以下、レポートです。

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第27回信州安曇野能楽鑑賞会で字幕表出を行いました。
使用アプリは、
『UDトーク®︎』
『まあちゃん(静岡福祉大学)』
字幕表出は、
EPSONのMoverio(メガネ型ディスプレイ)で、
演者を見ながら字幕が見えるようにしました。
また、タブレットも用意しました。
文字の大きさと位置は一人ずつ調整しました。

古典の言葉なので、難読文字には読み仮名を入れたりと、字幕作成には謡曲の会の方にご協力をいただきました。

字幕を見られた方の感想は、

・明るくはっきり文字が見え良かった
・長時間かけると重い
・人工内耳の部分に当たるのが気になる
・ルビをもっと振ってほしい
・同伴した聴者は、内容がよく分からないと言ってたが、自分には字幕があって内容がよく分かった

ルビについての意見があったので、途中からは読み仮名をカッコ書きで入力し増やして対応しました。
メガネが重いと感じた方は、タブレットで見ていただきました。

また、会場の案内係をされていた市の職員の方は、UDトークを使えるよう準備したり、案内の時に話しそうな言葉の用紙をあらかじめ作成されたりと、合理的配慮をきちんと考えてくださっていました。

安曇野能では初めての試みで、伝統芸能の世界を聴覚障がいの方にも体験していただけたのではないかと思います。
字幕は、能初心者の潜在的希望があると思うので、もっと活用していただけるのではないかと思います。